@phdthesis{oai:kyutech.repo.nii.ac.jp:00008025, author = {德田, 洋祐}, month = {2023-04-20}, note = {第一章 序章||第二章 内容的妥当性の検討1(理論面からの検討)||第三章 内容的妥当性の検討2(実践面からの検討)||第四章 TCIQの信頼性および基準関連妥当性の研究||第五章 TCIQの社会への適用についての研究||第六章 終章, 職場におけるコミュニケーションは,個人間ならびにチーム内外,対社会の場面において,重要な活動である。組織を投資目的で評価する際の対象として,財務項目だけではなく,チームコミュニケーションの状況等の無形な組織資産を含める傾向がある。職場環境を改善する際に,職場のコミュニケーションの状況も評価の対象としている。これらの様に,評価を目的として,職場における無形なコミュニケーションの状況を可視化することは,組織の内外から求められている。職場のコミュニケーションを可視化する質問票として,TCIQ(Team Communication Interface Questionnaire)が提案されている。TCIQは,4つのインタフェース(目標共有,情報伝達,予定管理,評価認識)を各10問(プロトコル)で,チームのコミュニケーションの状況を確認する質問票である。本研究の目的は,TCIQが,信頼性と妥当性(内容的妥当性・基準関連妥当性)を持つことを確認し,組織コミュニケーションが持つ3つの機能ごとに,社会に適用する可能性を検討することである。内容的妥当性について,まずは理論面から確認した。TCIQの質問項目とチームコミュニケーションの理論やモデルの構築に寄与した先行研究との比較を行った。結果,全てのTCIQの質問項目の内容は,先行研究の理論やモデルと合致していた。次に実践面からの確認として,プロジェクトマネジメントの知識体系であるPMBOK(Project Management Body of Knowledge)に記載されているコミュニケーション項目と比較した。PMBOKの4つのプロセス群ごとに記載されているコミュニケーション項目は,合計1,323個であった。TCIQの全40質問項目は全て,内容が合致していること及び,PMBOKの全てのプロセスを網羅していることが確認できた。これらの確認によって,TCIQは,内容的妥当性を有すると考える。次に信頼性と基準関連妥当性を確認するため,法人Aを対象とした質問票調査を行った。調査項目は,個人属性,TCIQ,職業性ストレス調査票(BJSQ),Kessler 6(K6),目標管理制度上の評価点であった。集積したデータは,SPSS Ver21を用いて分析した。質問票調査の対象は,439名であった。調査の同意を得て質問票を返送した者は330名,兼務者を除いた者は283名,その内,目標管理制度の評価点を提出した者は92名であった。TCIQのCronbachのαの値は,目標共有.933 情報伝達.786 予定管理.811 評価認識.907であり,信頼性を示した。TCIQと職業性ストレス簡易調査票(BJSQ)で算出される尺度とのPearsonの積率相関係数は,「仕事のコントロール度」「上司からのサポート」「同僚からのサポート」というコミュニケーションが関係する尺度に対して,全て有意な正の相関を示した。この結果,TCIQは,基準関連妥当性を有すると考える。社会適用の検討として,1つ目に関係機能の検討を行った。チームの人間関係とメンタルヘルスに関係があるという先行研究から,メンタルヘルスの自覚を確認する質問票K6と所属する部門のTCIQの平均点との相関係数について分析した。値が高い程メンタルヘルス状態が悪いことを示すK6の値とTCIQの4つのインタフェースとのPearsonの積率相関係数は,全て有意な負の相関を示した。TCIQは,チームの関係機能に関するコミュニケーション状況の調査に適用できると考える。次に指示機能の検討として,目標管理制度上の上司評価点とTCIQとの相関について分析した。結果,上司評価点とTCIQの4つのインタフェースとのPearsonの積率相関係数は,全て有意な正の相関を示した。これにより,TCIQは,チーム業績を達成する為に実施するチームコミュニケーションの状況の調査に適用できると考える。最後に,環境作り機能の検討として,阿部が2020年に実施した,TCIを参考に作成したSCIQ(Safety Communication Interface Questionnaire)に関する研究のレビューを行った。SCIQの信頼性が確認でき,質問票での回答値は,同じ質問項目による実地検査の回答値と傾向が類似していることが確認できた。SCIQは,環境作り機能のための調査における適用の可能性が確認できた。最後に,社会に適用する実例として,産業保健マーケティングへの適用について,具体的な方法の検討を進めた。TCIQは,信頼性と内容的妥当性,並びに基準関連妥当性を有することが確認できた。また,組織コミュニケーションが持つ3つの機能に対する調査への適用について確認できた。TCIQは,職場コミュニケーションに関する状況の把握,改善,予防が期待できる。質問項目は,40問からなり効率的な調査が可能である。質問項目は,具体的な善行を示しているため,問題の特定及び,改善のために行う教育テーマを選定するために効果的なソリューションとなる。本論文の構成は,序章として,研究の背景及びTCIQを概説している。第一部の第二章では,内容的妥当性の研究として先行研究の記述内容と比較による理論面からの検討,第三章では,PMBOKとの比較による実践面からの検討について記載している。第四章では,質問票調査による信頼性と基準関連妥当性の検討について記載している。第二部は,第五章で,社会適用の検討ついて,第一節で関係機能面,第二節で指示機能面,第三節では環境作り機能面,第四節では,産業保健マーケティングへの適用について,そして第五節では,TCIQの調査結果の活用方法について記載している。最後の第六章は,本稿のまとめ,引用文献一覧を掲載している。, 九州工業大学博士学位論文 学位記番号: 生工博乙第9号 学位授与年月日: 令和5年3月24日, 令和4年度}, school = {九州工業大学}, title = {職場コミュニケーションを可視化する質問票の信頼性及び妥当性の検討並びに、その社会適用に関する研究}, year = {}, yomi = {トクダ, ヨウスケ} }